【読本天国】『私の普段着』

わたしの普段着 (新潮文庫)わたしの普段着 (新潮文庫)
(2008/05/28)
吉村 昭

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 小説家・吉村昭さんのエッセイ集です。

 以前、夢小説を描いている途中で、江戸時代末期の通訳・翻訳システムがどうだったのを調べていました。
 ですが、なかなか良いものが見つからずに困っていました。おそらく世間的には需要が少ない分野で、本当に研究している方々の本しかないのでしょう。

 行き着いたのが、吉村さんの『海の祭礼』という本でした。
 記録小説という分野に、まるで雷に打たれたような衝撃を受けたのを思い出します。
 詳細・感想は以前書いたのでこちらで。
 小説のための取材エッセイも面白かったのでこちらでレビューしてます。

 その吉村さんの、普段の生活を綴ったエッセイ集がこの本です。
 吉村さんの子どもの頃や、大病を患った青年時代、手術を行い奇跡的に治癒した後に小説家として生きていったお話などが載せられています。

 緻密な取材や文章構成にいつも脱帽しているのですが、東京の下町出身でいらっしゃることや、やや内向きなところに共感するというか(笑) 他の歴史小説家の方々が神々しくて近寄りがたいとすれば、吉村さんは少しだけ「下りてきている」というか。作品自体はもちろんプロ中のプロでいらっしゃるけれども、エッセイを読むと、こう言っては失礼なのですが、近しい感じがします。

 作品も好き・作者さんの人柄も好き、というのは、私にしては珍しい。
 今回も、静かだけども芯の通ったお人柄を感じさせる文章に魅入られました。


 本日もお越しくださいまして、拍手や一言送信もありがとうございます。吉村さんの本は、実はもう一冊拝読しています。レビューはまた時期を見て改めて行います。

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小山奈鳩

Author:小山奈鳩
時々江戸時代(主に幕末)へ暴走します。

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