【読本天国】「武士の評判記『よしの冊子』に見る江戸役人の通信簿」


徳川八代将軍吉宗の孫にして、寛政の改革で有名な松平定信。
老中に就任後、近習番に江戸城内や江戸市中での幕府役人や旗本、町人などから話などを集めさせたのが、『よしの冊子』という古文書です。
その『よしの冊子』から当時の役人に関する部分を抜き出してまとめたのがこの本です。

定信自身を筆頭に、賄賂政治で失脚した田沼意次、江戸城へ登城するのに刀を忘れて自ら謹慎したうっかり大名、苦労したくないお坊っちゃま大名、金太郎とあだ名された町奉行、お城大好きで家に帰りたくない役人、果ては火付盗賊改・鬼平こと長谷川平蔵の人物像まで、よくもここまで集めたなという内容です。

誰がどの役に就いたかは幕府の公的史料で残っているものの、実際の人となりはこういった個人史料によりますね。
定信の幕府の人事が家柄だけでなく、評判やその人の適性を見抜いて行われていたことがよくわかりました。
江戸時代の人も他人のことをよく見ていて、あれこれ噂していたことも(笑)
書き残された人物像も人間臭く、今と変わらないんだなあとも思いました。

資料としても、読み物としても、江戸時代好きなら面白く読めると思います。


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小山奈鳩

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時々江戸時代(主に幕末)へ暴走します。

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