【読本天国】『岩石を信仰していた日本人』


サブタイトルは「石神・磐座・磐境・奇岩・巨石と呼ばれるものの研究」です。

 現在旅行記で書いている奈良への旅の中で、大神神社の岩石信仰がとても心に残りました。
 また、別のところでも古代の遺跡を訪れてみると、大小さまざまな岩石信仰があることに気づきます。
 有名なところでは、茨城県の鹿島神宮や千葉県の香取神宮にある要石。地震やそれを起こすナマズを封じていると言われております。
 岩石信仰とはいかなるものなのかと思い、この本を手に取ってみました。

 岩石信仰とひとくちに言っても、信仰される石の大きさや形、成り立ちはさまざまです。
 その石そのものが信仰の対象になる場合や、石の上に何かを置いて祭祀をおこなう場合、祠などを付属させて祀られる場合など、信仰のされ方もいろいろだとのことです。

 私が大好きな江戸時代には、こういった岩石信仰が観光の対象になっていたとのことで。
 浮世絵とかを見ていてもそうですけれども、奇岩・巨岩が名所っていうところ、ありますよね。うんうん。
 江戸時代中期に石が大好きすぎて全国を渡り歩いて石についての本を出版した人がいたなんて話も取り上げられていて、昔から研究されている方がいたんだなと感心しました。
 岩の形や大きさ、信仰のされ方などが詳しくかつわかりやすく分類されていて、素人の私でも面白い本でした。

 そして思ったのが、こういった信仰や幕末にも息づいていたであろうこと。
 戊辰戦争は東日本から北日本を縦断する戦争で、地形を利用した戦が各地で展開されていました。
 その時に、地元の人が「ここは神聖なお岩様の祀られている場所だから入っちゃいかん」とか、「戦の時にそういうことを言ってられるか」とかで揉めたことがあったんじゃないかと思うんです。
 調べ物をしていて時々、どうしてこの地形でこうなったのかなと思うことがあるので、高低差や利便性だけでなく、地元の人達がその場所をどう思っていたのかも加味してみる必要があるなと考えさせられました。

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小山奈鳩

Author:小山奈鳩
時々江戸時代(主に幕末)へ暴走します。

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