2015年9月・10月 うるわしの奈良逍遥記 その18

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前回からの続きで、長谷寺後編をお送りいたします。
こちらは登廊の途中から本堂を見上げた写真です。五色幕が艶やかですね。


 でっかい写真満載、お読みくださる方は続きへお願いします。



〜2015年9月・10月 うるわしの奈良逍遥記 その18〜
◆長谷寺 後編◆

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まだまだ登廊を上がっていきます。
献灯と思われる灯籠が並んでいて、いつの時代のものなのかとても気になります。

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上中下の中廊を上ったところにある蔵王堂。
天正五(1577)年に創建されましたが、慶安三(1650)年に徳川三代将軍家光によって再建されたとのことです。

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まだ上りますよ。全部で399段ありますからね。

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上廊から中廊を振り返ると、こんな感じ。

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はい、上りきりました。
正面に見えるは国宝の本堂です。
奈良時代から何度も消失しており、8度目の再建は豊臣秀長の援助で天正十六(1588)年によるものだそうです。
現在の本堂は蔵王堂と同じく慶安三(1650)年、徳川家光によって建てられたものです。

 中は正堂(ご本尊が安置されている。後述)、本堂(相の間。石畳が敷かれ、通路のようになっている)、礼堂(一段高い板の間)となっていて、南側の外には京都の清水寺と同じ懸け造りの舞台があります。
 撮影禁止場所なのでお写真はありません。ご了承くださいm(_ _)m

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1枚前の写真の左側にある鐘楼。
この鐘楼には「尾上の鐘」という鐘がつけられておりまして…

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 寛仁三(1019)年に京都の栗田助貞という男が、観音様の霊験で出世したお礼に寄進したものだそうです。
 なぜかこの栗田という男は未来男と呼ばれており、鐘も未来鐘と称されているとのこと。
 現在の鐘は文亀元(1501)年に作られたもので、藤原定家が「年も経ぬ 祈るちぎりは初瀬山 尾上の鐘の よその夕暮」と詠んでいます。前回のレポートでもこのお寺がいろいろな作品に登場することを書きましたが、やはり昔から有名だったんですね。

 実はここで雨が降ってきまして。
 御朱印をいただきながら雨宿りをしていたのですが、その時ちょうどお昼の12時になりました。
 すると鐘楼にお坊さんが上がってきて、法螺貝を吹き始めたのです。

 山々を背景に、朗々と響き渡る法螺貝の音。
 この場には十人もいなかったと思いますが、皆、音に聞き入り、お坊さんが法螺貝を吹く姿に見入っていました。

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雨も小止みになったので本堂へ。
写真の右側「御本尊大観音特別拝観」と書かれた看板があります。
この日は春と秋に行われる、国宝の十一面観世音菩薩立像の特別拝観が行われていました。

 受付で五色幕と同じ色合わせで作った紐を頂戴しました。
 観音様とのご縁を繋ぐ意味があるそうです。
 そして内々陣に入らせていただき、観音様とご対面です。

 本堂から拝見した時も大きいなと思ったのですが、実際に足元まで来てみるとやっぱり大きい。
 サイズ的には10メートルを越えているそうで、鎌倉にある長谷寺の観音様が9メートルですからそれより大きい。
 いやいや、大きさが大きいだけでなく、存在感が大きい。
 まさに言葉通り、圧倒されるといった感じです。

 足元に跪き、おみ足に触れさせていただきながら、ふたつほどお願い事をお頼み申し上げました。
 そのうちのひとつは相方はんの仕事に関係することで、なんと帰宅したら叶っていました。
 なんというご利益…ありがたや…。

 ちなみにこの観音様、近江国高島から来た楠の霊木を使い、三日間で作り上げられたものということです。
 また、近くの初瀬川に流れ着いた神木から作られたとも伝えられています。
 右手に数珠と錫杖を持つお姿は、日本全国の長谷式十一面観音のモデルです。
 豊臣秀長による8度目の再建時に作り変えられたもので、天正十六(1588)年製。

 また、この観音様は平らな石の上に立っているのですが、これが神聖な岩石だそうです。
 天平元(729)年八月のある夜に突如としてこの岩石が地中から現れて、仏像をしつらえるのにふさわしい足跡型の穴があったので、観音様を立てたというお話が残っています。「金剛寶盤石」「磐座」「大盤石」などと呼ばれているそうです。前回の読本天国で岩石信仰の本について書かせていただきましたが、ここにも岩石信仰のひとつが眠っているんですね。

 前日に「ここへ行こう」と同行者さんが決めてくれて偶然に訪れたはずだったのですが、実家のお寺の総本山だったり、鐘楼で法螺貝を吹くお坊さんを拝見出来たり、時代を重ね、現在は国宝に指定されている十一面観音菩薩様とご対面出来たり、帰宅後に願いが叶っていたりと、奇跡的な出来事が起こったお寺さんでした。


 今回のレポートはここまでです。
 次回は奈良旅最終回、女人高野と言われる室生寺になります。
 ここまでお読み下さりありがとうございました。

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小山奈鳩

Author:小山奈鳩
時々江戸時代(主に幕末)へ暴走します。

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