2015年9月・10月 うるわしの奈良逍遥記 その19

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奈良旅レポート最終回は室生寺です。
山深きお寺ですが、建物の屋根の形がバラエティに富んでいます。


 でっかい写真満載、テキストもいっぱい、お読みくださる方は続きへお願いします。



〜2015年9月・10月 うるわしの奈良逍遥記 その19〜
◆室生寺◆

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室生寺の前には室生川という川が流れており、朱塗りの太鼓橋を渡ってお寺に行きます。

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表門。柿葺か檜皮葺ですかね、何とも言えない色の屋根を戴いています。
この奥には書院や本坊があるそうですが、参拝受付は右の道へ。

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仁王門。
三間一戸、スタイルは楼門で、朱と白の対比が美しい、華麗な門です。
こちらの屋根もいい色してますね〜。

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白壁で際立つ、赤と青。

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鎧坂。
下から見上げると、鎧の札(さね。鎧を構成する小さな板のこと)を重ねたように見えるからという由来らしいです。
女人高野の名を関する割には勇ましい名前ですね。
ご覧頂いてわかるように、このお寺も山です。

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国宝の金堂。平安初期の建立だそうです。
手前に礼堂が張り出しているのは、清水寺の懸造りに似ていると思います。
屋根は寄棟造りなのですが、前に屋根が流れるようなカタチはあまり見ない気が…←好き
山がちな場所に建物を作るには、こういった建築様式が必要なのでしょう。

中にはご本尊の釈迦如来立像を中心に、薬師如来像、地蔵菩薩像、文殊菩薩像、十一面観音像が並びます。
そしてその前に、運慶作と伝わる十二神将像がそびえ立っているのです。すごい迫力でした。

ちなみにその全てが平安時代に作られて国宝・重要文化財に指定されており、御本尊の後ろの板壁に描かれている帝釈天曼荼羅図も国宝です。時を経て受け継がれてきたのですね。

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本堂である潅頂堂。
延慶元(1308)年の建立で、入母屋造りの屋根がお見事です。
こちらにもご本尊の如意輪観音菩薩像が安置されており、真言密教の最も大切な法義である潅頂(頭に水を注ぎ、仏さまや曼荼羅と結縁する)が行われる、大切なお堂です。

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これは拝殿で、境内図によると奥に天神社があります。
天神社は室生龍穴神社の方角を向いて建てられているそうです。
面白い屋根の形してるなあ…(しげしげ)

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龍穴神社が出てきたところで、室生寺の創建について。
創建には諸説あり、天武天皇の発願により役小角によって創建されたが荒廃し、弘法大師によって真言宗の三大道場のひとつとされて隆盛したとも、桓武天皇が親王であった頃に病気になり、興福寺の僧が室生山中にて修法を行ったら快癒したために創建されたとも言われております。

また、火山活動による「室生火山群」という地形を形成しており、嶮峻な山や深く刻まれた谷、そこに流れる川、岩窟や絶壁、峰などもあります。山にはいくつかの洞穴もあり、そこには古くから龍が住まうと信じられ、龍穴と言われてきました。龍穴神社もその信仰のひとつと言えるでしょう。

険しい山がちな地形は山岳信仰を呼び、空海によって真言宗の密教道場となり、龍穴の伝説からは水神信仰ひいては雨乞いの儀式が行われるなど、古代の室生寺は山奥にありながらも重要視されるお寺であったことが窺えます。

また、女人高野については、高野山が女人禁制だったため、禁制ではない室生寺に女人が多く訪れたのだとか。
1400年代から公家関係の尼僧などが室生寺を訪れており、江戸時代に入ると五代将軍綱吉の信頼を得ていた僧が興福寺からの支配脱却を願って独立、綱吉の母・桂昌院も室生寺の修理を願い出ています。
室生寺は山深いところにあり、今でも移動手段がないと行くのは難しいと思われるのですが、昔は徒歩や駕籠、馬などでここまで来ていたんですよね。信仰のチカラってすごいなと思わざるを得ません。

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本堂から奥には行かなかったので、有名な五重塔や奥の院などはまた次回。
前日朝から借りて乗り回したレンタカーを返して、帰途につきました。


 全19回に渡っての奈良旅レポート、これにてすべて終了となります。
 長々とお付き合い下さりありがとうございました。
 次回は地味だけどスゴイ中山道をお届けいたします。

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小山奈鳩

Author:小山奈鳩
時々江戸時代(主に幕末)へ暴走します。

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