2016年11月02日  【読本天国】11月1日は紅茶の日ということで関連本を2冊

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ツイッターで回ってきた、カルディコーヒーの限定紅茶セットを購入してしまいました。
近所のショッピングセンターからカルディさんが撤退してしまったので買えないなあと思っていたのですが、外出先の駅前にあったので(笑)
中身はティーバッグのアソートセットと、お茶請けのクッキーが2種類。
それと、小型のトレイです。
トレイはパソコンデスクの消しゴム置きに使おうと思っています。

紅茶といえば、私は飲み物の中で一番好きです。
飲み始めた頃にちょっとだけ本を読んで勉強したことがありました。


一冊目はこちらで、出口保夫さんの『午後は女王陛下の紅茶を』です。
イギリスの文学や文化を研究されていらっしゃる方で、現在は退職して某大学の名誉教授となっているようです。
イギリスについての本は辛口の評価が目立つ中、優しい語り口でイギリスと紅茶文化を書き記しています。
紅茶に使う道具や、出口さんがイギリスで紅茶を嗜んだ時についてのゆったりとしたエッセイ。
息子さんである出口雄大さんの緩やかなイラスト。
秋の夜長に紅茶をすすりながら読むのにちょうどいい一冊です。


もう一冊は、田中蓉子さんの『紅茶』です。
こちらは前述の本よりもっと詳しい紅茶の本です。
紅茶の歴史、選び方、買い方、淹れ方、ティーのバリエーション、葉の産地や種類、主な販売メーカー、茶器、一緒にいただく軽食の作り方などなどなど、紅茶を楽しむための知識が満載です。
この本を読んでウェッジウッドに憧れたものです(*´ェ`*)ポッ

密林で検索してみたら、今は今で紅茶についての本がたくさん出ていました。
これから紅茶をお勉強する方々も、自分に合ういい本に出会うことができますように。
ちなみに私はアッサムが好きです。
ストロングめに淹れて、ストレートかミルクティーにするのがお気に入りです。

2016年10月19日  【読本天国】『新選組 粛清の組織論』



 幕末に名を残した新選組。
 彼らは池田屋事件をはじめ、多くの戦いに身を投じ、敵を排除してきました。
 しかしその裏で、内部にも厳しい目を向け、記録されている限りでは敵の倍近くの人数の味方を粛清しています。
 筆者さんは本書の中で、粛清された隊士たちにスポットライトを当て、新選組がどう成り立っていき、粛清の歴史を歩み、滅んでいったのかを考察しています。

 芹沢鴨や山南敬助、伊東甲子太郎などの内部粛清という視点で語られる新選組。
 その姿は、組織を生真面目に律するあまりの悲劇でもあり、当然の結果でもあり。
 激動の時代に翻弄されていたのだなと改めて思い知らされました。

 京都の地図や粛清された隊士のデータなどが最初に提示されており、本の目的がはっきりしています。
 ただし、タイトルの通り「粛清」がテーマなので、池田屋事件など粛清に関係のない項目はさらっと流されています。一通り通史を頭に入れておいたほうがわかりやすいかもしれません。

 毎度ながら調べ物も詳しくされており、文章の中に埋め込まれたり最後に掲載されたりしている参考文献の多いこと多いこと。聞いたこともない資料名に、他に何が書かれているのかとても気になります(笑)

 また、読んで思ったのは、新選組の内部では粛清が行われていましたが、同じ時期に同じく京都で活躍していた見廻組や、浪士組から分派した新徴組など、幕末に存在した他の団体ではどうだったのかということです。
 どんな団体でも人数が増えれば思想や考え方も増え、派閥が存在するようになります。内部統一のために規律が作られることも多々あります。新選組と同じように綱紀粛正が行われたことはなかったのか、詳しい人がいたら聞いてみたいところです。


2016年09月21日  【読本天国】『西遊草』


『西遊草』 清河八郎

 新選組の前身、浪士組を組織したうちのひとり、清河八郎の著作です。

 清河は庄内(山形県)の尊攘派志士で儒学者でした。
 安政二年、母を連れてまず善光寺へ参ります。そこから伊勢参り(いわゆる抜け参り)をし、さらに京都・大坂、四国、広島は安芸の宮島などを回り、東海道から江戸へ出て庄内へ帰るという、ちょうでっかい親孝行をいたしました。

 この清河、もともとたいへんな筆まめで、彼がほうぼうに出した長〜い手紙がたくさん残っています。
 そんな彼ですから、旅行に関しても事細かに書き残しておりまして、宿に泊まれば宿の名前や何を食べていくら支払ったとか、史跡を巡ればその歴史や現状、自分が抱いた感慨などを毎日毎日書き綴っていました。

 これは自分のための備忘録という意味合いだけではなく、同行した母がこの記録を読んで後々に思い出せるようにという思いもあったそうです。

 旅の途中で出会った人々についても丁寧に描いています。
 夜の数だけ宿に泊まるわけですが、その主人や使用人の人柄などを、いい人だとかケチだとか赤裸々に語っていたり、偶然道中で出会った旅の人たちとのハートフルな交流を残したりしています。

 道中の景色や旅でのアクシデント、女性を連れて関所をどう攻略したかなど、当時の長旅を知ることも出来、面白かったです。

 また、内容を通して清河の人物像も浮かび上がってきます。
 抜け参りという危険を犯してでも母を伊勢参りに連れて行く、善光寺まで一緒に連れて行った叔母を何とか伊勢まで連れて行こうとする、道中行き倒れ寸前になっていた江戸へ帰りたい男を荷物持ちとして同行させるなど、なかなか情に厚いところがあります。正当なサービスを受ければどんどん金を払い、逆であれば金は仕方なく払うけど文句たらたらだったりです。

 浪士組を組織し上京させるもすぐ江戸へ引き返してしまい、江戸で斬り殺されてしまった清河は、何かと評判が悪い。でも私はこの本を読んで、清河が言われるほどの極悪人ではないと思いました。誰もが個別に持っている正義、その価値観の違いで不幸な結末になっただけだと思います。

 ちなみに、西遊草は複数冊出版されているのですが、上記画像のものは現代語に訳してあり、ところどころに解説もあって読みやすかったです。原文の書き下しで清河の文体を感じたい方は、別の本をどうぞ。

2016年08月24日  【読本天国】『よみがえる古代 大建築時代』



お盆休み中に図書館へ行き、“夏休みの読書”をしようと思いました。
タイトルを見てすぐ手にとってしまったのがこちらです。

古代には、とても人力だけで作ったとは思えないような巨大建築物が多々あります。
それらがどのように作られたのか探っていく本です。

取り上げられているのは、
・三内丸山遺跡(約5500年前)
・仁徳天皇陵古墳(5世紀頃)
・難波宮(7世紀半ば頃)
・遠江国分寺(8世紀半ば頃)
・平安京羅城門(8世紀末〜9世紀前半)
・讃岐満濃池(9世紀前半。空海によるもの)
・出雲大社(11代垂仁天皇の時代?)
・ピラミッド(ややおまけ)
です。
それぞれがどのような立地にあるのか、建築の部材はどのようなもので、どこから仕入れたのか。
デザインはどういったもので、工期はどのぐらいか、延べ人数や費用はどのぐらいかかったのかが推定されています。

どの建設物も、日本史上有名で重要なものばかりです。
何千人、何万人といった延べ人数で、その時代に考えうる最高の技術、最高の素材を使用して作られた建造物。
生活のため、悼むため、祈るため、守るため。
その目的は様々ですが、人が人力と知恵と努力でこれだけの巨大な建造物を作ったことに感動しました。
縄文時代の段階ですでに日本各地での交流の跡があったり、満濃池をダム化するために何度も地形をいじったり、これから行きたい出雲大社が実は七度も倒壊の憂き目に遭っていたりと、目を引くはなしもたくさんあって、面白かったです。

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小山奈鳩

Author:小山奈鳩
時々江戸時代(主に幕末)へ暴走します。

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