2017年01月04日  【読本天国】『浜離宮庭園』&『旧芝離宮庭園』

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12月に旧芝離宮庭園と浜離宮庭園へ行ってきたので、その来歴を知りたくて読みました。
芝離宮のほうは庭園事務所で本が売っていたのですが、浜離宮にはなかったので、とりあえず地元の図書館で借りました。

 両方とも江戸湾に面した庭園で、徳川四代将軍家綱より拝領した土地が元となっています。
 浜離宮は後に将軍家別邸、芝離宮は老中の邸宅や清水家・田安家の御用屋敷にもなりました。
 明治維新後は新政府軍に接収され、宮様の邸宅となったり、鹿鳴館の前身となる外交屋敷が出来たりと、大活躍した庭園です。

 いずれの本も、各庭園がどのようなはじまりを迎え、誰が持ち主となったのかや、土地の開発や歴史との歩みが詳しく書かれています。ある将軍がめっちゃ訪問していたりとか(政治しろ)、国内外の外交の場として長い間利用されていたりとか、全然知らなかったので面白かったですね。

 写真や図版もちょうどいい量で盛り込まれており、文章も難しくなくとても読みやすかったです。これから庭園を訪問されるかたは予習復習にちょうどいいかと。そして個人的には調査の深さやまとめかた、リーダビリティの高い報告の書き方について大変参考になりました(笑)

2016年11月16日  【読本天国】『岩石を信仰していた日本人』


サブタイトルは「石神・磐座・磐境・奇岩・巨石と呼ばれるものの研究」です。

 現在旅行記で書いている奈良への旅の中で、大神神社の岩石信仰がとても心に残りました。
 また、別のところでも古代の遺跡を訪れてみると、大小さまざまな岩石信仰があることに気づきます。
 有名なところでは、茨城県の鹿島神宮や千葉県の香取神宮にある要石。地震やそれを起こすナマズを封じていると言われております。
 岩石信仰とはいかなるものなのかと思い、この本を手に取ってみました。

 岩石信仰とひとくちに言っても、信仰される石の大きさや形、成り立ちはさまざまです。
 その石そのものが信仰の対象になる場合や、石の上に何かを置いて祭祀をおこなう場合、祠などを付属させて祀られる場合など、信仰のされ方もいろいろだとのことです。

 私が大好きな江戸時代には、こういった岩石信仰が観光の対象になっていたとのことで。
 浮世絵とかを見ていてもそうですけれども、奇岩・巨岩が名所っていうところ、ありますよね。うんうん。
 江戸時代中期に石が大好きすぎて全国を渡り歩いて石についての本を出版した人がいたなんて話も取り上げられていて、昔から研究されている方がいたんだなと感心しました。
 岩の形や大きさ、信仰のされ方などが詳しくかつわかりやすく分類されていて、素人の私でも面白い本でした。

 そして思ったのが、こういった信仰や幕末にも息づいていたであろうこと。
 戊辰戦争は東日本から北日本を縦断する戦争で、地形を利用した戦が各地で展開されていました。
 その時に、地元の人が「ここは神聖なお岩様の祀られている場所だから入っちゃいかん」とか、「戦の時にそういうことを言ってられるか」とかで揉めたことがあったんじゃないかと思うんです。
 調べ物をしていて時々、どうしてこの地形でこうなったのかなと思うことがあるので、高低差や利便性だけでなく、地元の人達がその場所をどう思っていたのかも加味してみる必要があるなと考えさせられました。

2016年11月02日  【読本天国】11月1日は紅茶の日ということで関連本を2冊

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ツイッターで回ってきた、カルディコーヒーの限定紅茶セットを購入してしまいました。
近所のショッピングセンターからカルディさんが撤退してしまったので買えないなあと思っていたのですが、外出先の駅前にあったので(笑)
中身はティーバッグのアソートセットと、お茶請けのクッキーが2種類。
それと、小型のトレイです。
トレイはパソコンデスクの消しゴム置きに使おうと思っています。

紅茶といえば、私は飲み物の中で一番好きです。
飲み始めた頃にちょっとだけ本を読んで勉強したことがありました。


一冊目はこちらで、出口保夫さんの『午後は女王陛下の紅茶を』です。
イギリスの文学や文化を研究されていらっしゃる方で、現在は退職して某大学の名誉教授となっているようです。
イギリスについての本は辛口の評価が目立つ中、優しい語り口でイギリスと紅茶文化を書き記しています。
紅茶に使う道具や、出口さんがイギリスで紅茶を嗜んだ時についてのゆったりとしたエッセイ。
息子さんである出口雄大さんの緩やかなイラスト。
秋の夜長に紅茶をすすりながら読むのにちょうどいい一冊です。


もう一冊は、田中蓉子さんの『紅茶』です。
こちらは前述の本よりもっと詳しい紅茶の本です。
紅茶の歴史、選び方、買い方、淹れ方、ティーのバリエーション、葉の産地や種類、主な販売メーカー、茶器、一緒にいただく軽食の作り方などなどなど、紅茶を楽しむための知識が満載です。
この本を読んでウェッジウッドに憧れたものです(*´ェ`*)ポッ

密林で検索してみたら、今は今で紅茶についての本がたくさん出ていました。
これから紅茶をお勉強する方々も、自分に合ういい本に出会うことができますように。
ちなみに私はアッサムが好きです。
ストロングめに淹れて、ストレートかミルクティーにするのがお気に入りです。

2016年10月19日  【読本天国】『新選組 粛清の組織論』



 幕末に名を残した新選組。
 彼らは池田屋事件をはじめ、多くの戦いに身を投じ、敵を排除してきました。
 しかしその裏で、内部にも厳しい目を向け、記録されている限りでは敵の倍近くの人数の味方を粛清しています。
 筆者さんは本書の中で、粛清された隊士たちにスポットライトを当て、新選組がどう成り立っていき、粛清の歴史を歩み、滅んでいったのかを考察しています。

 芹沢鴨や山南敬助、伊東甲子太郎などの内部粛清という視点で語られる新選組。
 その姿は、組織を生真面目に律するあまりの悲劇でもあり、当然の結果でもあり。
 激動の時代に翻弄されていたのだなと改めて思い知らされました。

 京都の地図や粛清された隊士のデータなどが最初に提示されており、本の目的がはっきりしています。
 ただし、タイトルの通り「粛清」がテーマなので、池田屋事件など粛清に関係のない項目はさらっと流されています。一通り通史を頭に入れておいたほうがわかりやすいかもしれません。

 毎度ながら調べ物も詳しくされており、文章の中に埋め込まれたり最後に掲載されたりしている参考文献の多いこと多いこと。聞いたこともない資料名に、他に何が書かれているのかとても気になります(笑)

 また、読んで思ったのは、新選組の内部では粛清が行われていましたが、同じ時期に同じく京都で活躍していた見廻組や、浪士組から分派した新徴組など、幕末に存在した他の団体ではどうだったのかということです。
 どんな団体でも人数が増えれば思想や考え方も増え、派閥が存在するようになります。内部統一のために規律が作られることも多々あります。新選組と同じように綱紀粛正が行われたことはなかったのか、詳しい人がいたら聞いてみたいところです。


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小山奈鳩

Author:小山奈鳩
時々江戸時代(主に幕末)へ暴走します。

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